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絵本『きりんのうた』寄贈について
このたび、絵本『きりんのうた』(さく・大平まゆみ/え・ひだのかな代)を、
北海道大学病院小児科を皮切りに、札幌市内および近郊の小児病棟のある
病院・小児科医院へお届けしました。
『きりんのうた』は、日本の動物園にやってきたきりんの親子のお話を軸に、
戦争や環境問題など、さまざまな事情により居場所を失った動物たちのお話も。
物語の中では、動物たちを迎えるために園長が取り出したヴァイオリンの音色が、
静かに心をつないでいきます。
作者の大平まゆみは、札幌交響楽団コンサートマスターとして約21年半音楽に
携わってきましたが、現在はALS(筋萎縮性側索硬化症)とともに日々を過ごしています。
声を出すことや身体の自由が少しずつ制限されていく中でも、
「音楽や物語は、たとえ声が出なくなっても、心に届き続ける。」
その思いを込めて、この絵本を制作しました。
出版から1年を迎える節目に、病気と向き合いながら過ごすこどもたちの心に、
ほんのひとときでも、安らぎや温もりが届けば―…
そんな願いから、ささやかではありますが、本書を贈らせていただきました。
絵本の最後のページにあるQRコードからは、
大平自身の「再生された声」による読み聞かせ音声をお聴きいただけます。
(意思伝達装置は視線入力で、声はボイスターという音声生成ソフトを利用し、
現在もラジオ番組等、日々感じることを発信しています。)
治療の合間や待ち時間など、無理のない形でご活用いただけましたら幸いです。
日々、こどもたちと真摯に向き合っておられる医療従事者の皆さまに、
心よりの敬意と感謝を込めて。
いつも心に音楽を
大平まゆみ


(アシスタント 奥田萌)
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